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世界の至宝「曜変天目」は鎌倉時代に伝わり、以来3碗が日本の国宝として伝世しております。 静嘉堂文庫の所蔵する稲葉天目、藤田美術館、そして大徳寺龍光院のものです。 2009年には中国杭州市の南宋宮廷跡から発掘されており、他に発掘されたものも含め5碗程度が、世界に残されているようです。
戦後日本では、何度か、陶芸ブームが起こり、その都度「曜変天目再現」という記事が新聞紙上を賑わせました。 しかし、見た目にも製法的にも「稲葉天目の写し」に終始しており、現代ではプロアマを超え複数の方が「再現」というタイトルで「本物と同じ」かのように発表、販売をしておりますが、その価格は1碗、数百万単位止まりであり、製法としても、「特許申請」を見ても、900年前の当時の技術かどうか疑問も多くあり、「虹彩」はともかくも、曜変天目最大の謎の「斑紋」が発生する原理をつかんでいる人は皆無です。 また、偶然の産物として発表される方がいますが、成分分析表の提示はなく、最先端分析装置で重金属などが検出される例もあります。 過去には大手団体に属して独自の「曜変天目」を発表されていた作家が自死しているケースなどもあり、光と影の背景を持つのも、その希少性と本物ならば100億円といわれる価値に由来するようです。
当方は陶縁50年の中で、縁に恵まれ、粘土や鉱物資源を幼いころから趣味で採集し、自然に縄文土器から窟窯築窯、焼成など、陶芸の歴史全般を体験していた上で 燻化焼成の第一人者や、光学博士、地質学者らとの交流も持て、「構造色」の研究を早く行うことができたことが、斑紋原理の発見に幸いしたと思っています。 勿論、当方以上に研究や努力をなさった人たちも当然、おいでかとも思いますが、人為の及ばない「地縁」「巡り合わせ」などもあり、50年でたどり着けた幸運な側面もあります。
当方の課題としては、諸子百家、マスコミ参戦で春秋戦国時代のような様相を呈した「曜変天目経済戦争」に いかに「真贋」を見極める「審美眼」で落ち着きをもたらすか、です。 言い換えれば、900年間、世界の至宝を守ってきたが、現在に至ってもなお、混とん、混乱の状態が続き、娑婆世間では、未だ調略や戦争が繰り広げられている。―-21世紀人として先人の開発、発見の努力と、保存の功績に対して、「乱れ」を正すことが役目と、残りの人生を学術研究と広報、展覧事業に乗り出すこととしました。
原子力災害という類まれな災禍で10年を失っておりますが、準備は整いつつあります。
皆様におかれましては、「謎解き」の証人としてお付き合いくださいますよう、ご案内申し上げます。
曜変天目庭園美術館・研究所
最上 曜(アキラ)