曜変天目と油滴

曜変天目と油滴

頂上の曜変にたどり着くためには
建窯天目に入山しなければなりません。

私が建窯天目の油滴や禾目を焼くときは
基本的に 【油滴も禾目も 同じ成分】で 出来ます。

焼成コントロールが 大変難しいので
今は 調合の工夫で何とかある程度の歩留まりにはなってきていますが、
変動要因は いまだ解決できず 時として 大スランプに陥ったりします。
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市販の「油滴釉」も複数出回り 酸化焼成で百発百中で焼ける時代ですが
こちらの方は磁州窯系油滴といい
珪酸質の高い基本釉薬に酸化鉄=錆鉄を大量に入れるものですから
天目釉がにごり透明感が無く 斑文も鈍い錆色がかったものになります。

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建窯天目の美しさは たっぷりとした透明感のある釉ガラスと 金属光のコントラストにあります。

すなわち 透き通って美しい黒ガラスと 燦然とした銀、金、虹、などの金属光、
これに 陶の渋みとして多少の窯変トッピング。

キレイキレイのスイーツ然としたものは ガラス工芸に任せるとして
陶芸の醍醐味=窯変という履歴が苦味となり 全体の味わいを完成します。
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建窯天目の斑文調整に辿り着くまでにも 10年以上はかかってしまい
またそこからの表現に5年はかかったでしょうか。

本日のアップ画像は 油滴の大小の調整でしたが
奇しくも 見込みには・・・・・
次の段階が 既に用意されていました。

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