曜変にかかわらず 様々な斑文が常に出現しています。

それが見えるか見えないかは焼成後の状態の問題であり、

胎土=器体、及び釉薬からは絶えず釉薬の中を上昇する気体とそれとともに上昇する鉄などの成分があり、

釉薬表面には様々な形、吹き上がって文様をなしています。

この意味から、虹彩も斑文も潜在しており、どのように顕在化させるか、との

アプローチがまずは第一歩です。

 

禾目も油滴も同様です。

吹き上がってくる成分を どのような形にするか?

小さな吹き出し穴から流動性のある成分を流しだすか、

大きな噴火口に粘性を持たせ溜めて鏡のような銀色にするか、

円の輪郭を残したカルデラの外側に虹彩が出るか、、、。

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虹彩について、表面の構造つまり、構造色ということは昔も今も変わらない定説です。

つまり、表面のわずかな凹凸(ナノサイズ~サブミクロン)の規則性のある配列が光を反射して

金属光沢の色が見えるのであって、ホログラムのような凸凹を窯の中でどのように整地するか?

焼成技術と釉薬技術の粋を集めてかからないと実現できません。

 

人口の絵付けによるラスタ―彩などの発色は銀幕が厚くにビカビカしており、

日本の国法の本物のかそけきはかなさとは全く違いますが、

2017年杭州出土のものは写真などで見るとラスターと見まごうほどの光を放ち

南宋宮廷、つまり当時の価値観として鮮やかなものが好まれたのかと思います。