あらためて 曜変天目の定義の一つを考察してます。

まずは、 光の「干渉現象」。

リング状の斑文が有り その周辺に虹彩と光の干渉現象が現れることについて。

静嘉堂文庫で稲葉天目を観察した折、 無色透明な膜が干渉を起こしているとは 思えませんでした。

会場の中央に特別に新設された稲葉天目専用の展示台は 国民の注目の高さと 昨今の模倣作品の氾濫を確実に意識しているようでした。
かつて暗い照明で 斑文も確かめることができないくらいだったのが 一昨年の公開では
180度様相が変わっていました。

また、かつての印刷物は全て斑文とその周囲は虹彩が見えない青白いべた塗の様でしたが、

今回の強い照明によって その曜変ぶりをいかんなく観る者に晒し 七色に浮かぶ「「虹彩」の存在をアピールしていました。

この展示と 合わせて出された印刷物他画像データは 旧来のものとはまるで別物という印象を観衆に与え
上絵付の ブルー系統に偏り、反射光の強すぎる 鉄以外の重金属を使った創作を 完全に引き離しました。

最新画像技術と展示方法は この「引き離し」を十分に意図したものだったと思います。

私は 半日、展示台を何周もしましたが 光源のせいかどうか、これまで一部でいわれてきた

干渉による遊色(見る角度によって色が変わる。)は確かめることができませんでした。

 

写真は自作のでた虹彩。こちらには偏光や色が変わる遊色はありませんが

テストでは虹彩ではなく赤銅の輝きを持つものに角度によって反射光のない紺色に偏光するものができています。

これも面白い現象で構造から反射する色が角度で補色などを発するのは興味深いものです。

今のところ、赤く見える場所が青く見える、などの実験結果は得られていません。

 

虹の階調をご覧ください。