曜変天目の特徴は、「斑紋」と「虹彩」の共存とその関係性にある。

斑紋は、おおむね円形であり、

器面を流下する過程で縦の楕円に変形しており、円形が横に伸びて歪む要素は少ないが、流下して茶だまりに達し変形する場合もある。

発生メカニズムは、発泡に由来しており、正円が基本だが、発生部分が概ね器の斜面=見込みにあり、隣とくっついたり、流下して変形する。 よって斑紋が正円で焼きあがるのは稀であり、斑紋それぞれの部位で、斜度などの繁栄がある。

斑紋のメカニズムからその内側は、黒釉の黒又は破裂しなかったドームの薄皮が張り付いた艶消し黒となる。 銀油滴の鉄結晶が表面に浮いたものではなく、斑紋の外側に鉄結晶が浮かんだものが曜変天目であり、虹彩は斑紋の外側現れる。

「虹彩」の特徴は角度で見え方が変わる偏光性のものであるが同じ場所が七色に変わるものでもなく、単色の場合も数色の場合もある。表面の鉄分結晶が斑紋に押し広げられた状態であり、斑紋直近が鮮やかに虹彩がかかるのは、一旦表面に浮かんだ結晶が黒釉に沈んで飲み込まれ消えたとみられる。

 

以上、簡単に曜変天目の「斑紋と虹彩」その特徴を記しておき、今後、研究の進度でまとめてみることとする。