「奇跡」とは、「存在」してはじめて「奇跡」なのであり、存在しなければ「奇跡」ではない。
「天使の羽」と「ハート」。
柄じゃないですが 芸術の神のイタズラでしょうか?
「光」の表現がテーマで 「稲妻」や「プリンス」「ジプシーEYE」、「光の雨」・・・など 曜変天目の研究から
派生した成果で表現領域が広がっていますが、 ここでいう「奇跡」とは上記の形象ではなく、また器表面の色でもなく
以下でいう「不思議光」です。
この作品はよく溶けて滑らかな表面やベルベット状の表面が蒼い反射光を放つ「溢れる光」シリーズです。
おそらく8K映像でも伝わらない反射光が器の中に溢れています。実際に手にして肉眼でしか認識できない器の中の
空間に現れた「光の異空間」とでもいうような、、、。
京都の三十三間堂の観音菩薩が手にする「法鉢」(ホウハツという死んだ人の霊魂を浄土に運ぶ入れ物)をも連想してしまいます。
何万、何十万と繰り返す釉薬実験の中で 時として意図せず「奇瑞」に出会えます。
(手にとり 肉眼で 自然光の中で場面場面の光景を反射させ 自己を投影しながら観る楽しみは
作者冥利ともいえますが 曜変の研究が成就できれば、こちらの作品もご覧いただけると思います。)